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文芸サークル「名で充ちた空」ブログ

名で充ちた空

C72一日目速報 | main | 私の戦場に お兄ちゃんは無用DA!
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SS,咲夜さん編1
何時まで続くのかしら、この廊下」
 巫女装束に焦げ目もなく、霊夢は呆れた。
 魔館の少女メイド隊は、深く赤い廊下を、
華々しくむせる様な弾幕で埋め尽くして、飛
来した不意の客人を持て成してくる。
 幾ら突破しても、さらに奥の部屋から増援
が現れて一礼し、真心篭もった迎撃を始める。
 ただ、熱烈ながら行儀の良過ぎる弾道は、
如何に大量で高速でも袖にし易く、小柄な黒
髪の少女を退屈させていた。
 何処まで、ではなく、何時まで、と飛行を
表現した点に彼女の無自覚な鋭さがあった。
 魔女を泣かせてしまった図書館から、廊下
は僅かに曲がることもなく続いている。
「それでもこのまま、零時の方向へ」

 霊夢は、これ以上ないほどお茶会に遅刻
たような気分になった。
 ようやく終わった廊下の奥。
 そこは赤く瀟洒な応接間だった。
 和洋折衷の空間は、待ち人のせいか部屋の
壁に並ぶ照明器具の光も尽きかけた様子。
 十二角形の高い天井に長短1本ずつ吊され
た剣の厳格な質感と、部屋の中央に飾られた
お茶会の給仕役らしきメイドの人影が、呪符
を構える巫女の身の毛を緊張させた。
 細腕に持つ銀の盆に危ういほどの数の茶器
を載せた銀髪の人影について、不吉でも殺気
を感じなかったのは、茶席を切り回そうとす
る振る舞いのまま微動だにしないせいか。
 と、その時、建物に鐘が鳴り響いた。

 館に突入して以来、定期的に聞いていた東
洋風の音色で、霊夢は部屋の主旨を理解した。
 時計だ。
 天井の剣は、時刻を表しているに違いない。
 草木が眠り、玩具が箱で睦み合う頃合い。
「長針と短針ね。
 あっ、長剣・短剣とも呼ぶんだっけ?」
 そんな事を内心呟きながら、霊夢は、照明
用の呪符に口付けた。
 術者の唾液に反応して発光した呪符が部屋
を、そして銀髪の人影を照らす。
 館の主であるあやかしが、殺めた召使いを
最後の辱めとして蝋人形にしたのだろうか?
 その開ききった虹彩に霊夢は眉をひそめた。
 人形の柳腰には、壊れた懐中時計があった。

---
コミケ出発前に、勢いに任せてUP!
書き進めのペースは相変わらずです。
>SS,咲夜さん編2
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テーマ:東方プロジェクト - ジャンル:ゲーム

| 東方プロジェクト | 07:33 | トラックバック:0コメント:0
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  • 同人小説の発表だけでなく作詞も行うので「文芸」サークル。
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