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文芸サークル「名で充ちた空」ブログ

名で充ちた空

清貧を誉めるなら三日目を待て。 | main | C71会場から離脱。
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カニューシャ第2巻56
 ルルイは反応負けした。
 トソは、その太腿や脹ら脛からは信じられ
ない瞬発力で車両に駆け込み、跳んで、湾の
見える網戸の車窓を突き破った。
 --飛び込み?! いや、飛び降り!
 真下は海では無い。
 顔面蒼白で網の破れた窓に駆け寄ったルル
イが見たのは。
 駅と交差する車道を走る貨動自動車の荷台
で受け身から立ち上がる巻き毛の少女。
「計算尽か!」
 少女蒔き応用版!
 ルルイは理解した。
 涼を目的とした網戸は、寄り掛かりの常態
化を避ける為、車両の異常加速を検知しない
と人間の体重を受け止めない。
 網戸へ不用意に接近する乗客を警告するだ
けで安全は確保出来ていた。
 押し合いになる様な混雑時には冷房用の窓
に切り替わる。
 幼児は一般車両に乗らない。
 破防庁が道徳を守る都では鉄道会社も泥酔
客の狼藉を考えない。
 車両の網戸は確かに突破出来る。
 そして。
 走る発信器である貨物自動車の位置は子供
でも把握出来る。
 保険会社は酔狂な自殺以外も想定していな
ければならなかったのだ。
 器物損壊の発生で車内に警報が響く。
 そしてルルイはトソの異常に気付いていな
がら格闘の心構えしかしていなかった自分の
浅はかさを悔やんだ。
 夕凪の時刻も過ぎ、打ち水も済んだ発着場
に止まる電車内は吹き抜ける風が涼しかった。

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テーマ:同人小説 - ジャンル:小説・文学

| カニューシャ | 11:12 | トラックバック:0コメント:0
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  • Author:壱意再帰
  • 同人小説の発表だけでなく作詞も行うので「文芸」サークル。
    感想ブログも兼ねています。
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