文芸サークル「名で充ちた空」ブログ

名で充ちた空

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カニューシャ第2巻37
 共有剤さえあれば受容器を塞ぐ事無く捉え
方を変換し、即座に気分と表情を切り替え、
睡眠中ですら仲良しと繋がり、定刻通りに覚
醒し、食事の摂取を意志で制御し、胸を張っ
て歩く事さえ快感に出来る。
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テーマ:同人系 - ジャンル:小説・文学

| カニューシャ | 17:27 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻36
「認証突破」
 侵犯は常套の段階を踏む。
「聴取器権限奪取」
 これで辱める囁きも未承諾で通る。
「時計権限奪取」
 これで如何なる都合も剥奪する。
「防犯端末常時改竄」
 これで救出の望みを破り捨てる。
「体内不正受信器発見。
 体内不正端末認証突破。
 構成網羅開始」

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| カニューシャ | 20:44 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻35
 乗降客監視装置は光学限界まで被写体に迫
り、見かけ上線路と平行して加速する水面の
間隔の中から指定された像を次々と送信する。
 絵を受信したキミハは画像処理を行い苦悶
する彼女の眉毛一本一本をも鮮明にする。
 キミハは侵犯の手順を開始した。

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| カニューシャ | 17:24 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻34
 帯状の滝を動かす事で出発する列車を表現
する噴水の合間から覗く安全扉の向こう側で
爪先を揃えて立ち、瞼を閉じる小柄な巻き毛
の人影を防護容器越しに注視する一眼。

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| カニューシャ | 23:45 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻33
 トソは慰めに瞼を閉じた。
 一ヶ月前の事故で愛用の掛け視野を壊し、
予備まで今日の出来事で失ってしまった。
 今は自力で視界を閉ざすしかない。
 滝も静々と風景を閉ざした。

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| カニューシャ | 23:01 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻32
 そういえば部屋の朝顔に水を上げていない。
 座り込みたい気分を抑えて降り口の様に開
いた噴水の合間から空を見上げる。
 ポツンと空に浮かぶ飛行艇に目が留まった。
 夕凪の湾の上空に漂う電波中継艇。

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| カニューシャ | 18:03 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻31
 夏日に稼働する首都打ち水系統の一つ。
 世界各国が深刻な水不足に悩む今世紀にお
いて繁栄を象徴する風景。
 学校見学会で初めて上京した時、その水の
豊かさに感激した事をトソは覚えている。
 有料とは言え公衆化粧室まで水洗だった。
 皆が砂と呼んでいた吸水物質を敷き詰めた
ものでは無かった。
 充電にも使えます、と飲料水の容器に書い
てあった時には価値観の差に目眩がした。
 天空建築は敷地内の芝生も目映かった。

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| カニューシャ | 22:36 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻30
 と、そこに涼気が降ってきた。
 水中水族館の散歩道に遮光処理を加えた様
な天井に音もなく注がれた清らかな水は発着
場に立つ人々にゆらゆらとした影を与えなが
ら安全扉の向こうで逆光の柱に区切られた薄
暮の都を潤んだ景色にした。

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| カニューシャ | 21:39 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻29
 発着場に到着する人はさらに増え、待ち行
列は圧縮される。
 湿度に浮かぶ汗はトソを不快にさせた。
 せっかくの消臭処置も台無しになってしま
う様に思えてトソは苛立った。

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| カニューシャ | 17:17 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻28
 乗車待ちの人混みの中、一人に戻った。
 掛け視野に没頭し鞄を脇に抱えた自分の全
幅を気にしない学生は当然立ち位置を指示す
る枠線からやむなくはみ出したトソに気づい
た様子も無い。
 対騒音機能を持たず何も受信していない聴
取器では電話越しに部下を罵倒する会社員の
大声を消してはくれない。
 高くはない鼻は猛烈な香水によって個性を
謳歌する後ろの中年女性を警告し続ける。

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| カニューシャ | 18:59 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻27
カニューシャ第2巻26
「はい、真に申し訳ございません」
 言い慣れた遅刻のお詫びも終え、トソは丸
い釦を押し送話器を停止させる。
 送話に合わせて取々に変化していた色調が
醒め、送話器は待機状態に戻った。
 汗を気にしつつもトソは送話器をお守りの
様にスルリと胸元に仕舞った。

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| カニューシャ | 18:57 | トラックバック:0コメント:0
RFC。テーマ名「ユビキタスパンク」
ニューロマンサーや攻殻機動隊に類する世界観をサイバーパンクとするなら。
serial experiments lainやプラトニックチェーンに類する世界観をユビキタスパンクと呼ぶのは如何でしょうか。
もし、この分類がネットワーク上で認知されるのであれば、拙作「カニューシャ」はユビキタスパンクなのですが。
なお、本日17時、Googleで検索した所、「ユビキタスパンク」「"ユビキタス・パンク"」について該当するページは見つかりませんでした。
もし、この言葉が意味と共に既出と確認出来れば、その最古の出典に対してリンクし私は提案者から賛同者に変わります。
単語だけ既出であれば、別の呼称も検討します。
如何でしょう?

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| 管理日誌 | 17:02 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻26
 扉に備え付けられた薄型受像器は時刻表か
ら次発分を選んで反転点滅させている。
 苛立つ指は鈕を止める事にも手間取る。
 便座の蓋に置いて広げた金属鞄から脱いだ
ばかりの白衣が落ちそうになる。
「あっ!」
 ごんっ!
 「清掃中」の看板で封鎖した個室から隔壁
に頭突きを入れる音がした。
カニューシャ第2巻27

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| カニューシャ | 19:37 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻25
「こっちは準備終わりましたけど。
 まだですか、先輩?」
 勝手な事を!
 掛け視野と聴取器を装着したまま上着を掴
みルルイは不遜な新入りを脳内で罵倒した。

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| カニューシャ | 20:13 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻24
 健康診断と体力測定により定量化された個
人差を用いて少女型仮想人形に医学的な肉付
けを行い概算描画用に被せていた多角形の鱗
を削ぎ落とすと真新しい標本は肌着による補
正も無い肢体を観測者に晒す己を自覚した様
子も無く演算された流体に吹かれて栗色の巻
き毛をふわふわと揺らした。

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| カニューシャ | 22:07 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻23
「キミハ、これは?
 この子に服でも買ってあげるの?」
 使い雛と言えば検索か面接、買い物と考え
るヨツユは凝った容体図に疑問を口にした。
「カニューシャ専用使い雛です。
 即席ですけど。
 操作画面の代わりにします。
 身体を使う接続には懲りました」

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| カニューシャ | 22:52 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻22
 画面内では障子色の地平に浮かび拡張され
ていく概念設計図から次々花開く認証要求に
「葉」の字から拵えた花押が飛び交う。
 信販会社に掛かり付けられた衣類発注用使
い雛を通販会社顧客台帳から数値として引き
出し空気遠近法で蒼く満たした肉薄な円筒形
三次元座標系に体素を泡立てる様にして体型
を描画し髪型、眼球、耳の形状、唇の形状、
臍の形状、肌色を確定する。

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| カニューシャ | 22:37 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻21
 正六角形の画面は進行中の作業を中継する。
 閲覧者は人事課台帳に奨学生番号を指定し
守秘された人格診断結果を捜査権限で開いた。
「始めるの?」
「骨折箇所も固定した頃です。
 上書きした端末も再起動し終えてます。
 麻酔も醒めてます。
 禁断症状で身体も寂しいはず。
 侵犯して人体通信網を奪取します」
 声帯を経由しない少女の発話は聞き手には
不自然な饒舌さだった。

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| カニューシャ | 17:06 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻20
「所で、第三象限って何ですか?」
 音質より暗号強度と伝送時間を優先させた
仕様でも声色は識別出来る。
「やる気無し、成果無し」
 気怠そうなヨツユの返事。

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| カニューシャ | 22:18 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻19
 乗り換えなのか新たに発着場に着いた数人
がトソを取り囲む様に待ち行列に加わる。
 先方に到着の遅れをお詫びしなければ。
 息も整い、首から提げた鮮やかな羽根に似
た送話器をトソは胸元から取り出す。
 指定された番号を呼ぶ。
 都中を静かに監視する破壊活動防止庁に電
話連絡をするというのは奇妙な感じがした。

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| カニューシャ | 23:37 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻18
 手首に覗く包帯は骨折を治療する素材を注
入した針の紅い跡を隠すため。
 だが擦り傷も綺麗に処置して貰っている頬
の綿布を取らないのはトソの下手な化粧では
誤魔化せないニキビを隠すため。
 トソは助言業の講師に指摘されるまでもな
く自信の無さを自覚していた。

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| カニューシャ | 22:38 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻17
 会長みたいに睨み付ければ良かった。
 汗ばんで痒くなってきた頬の綿布を指で弄
りながらトソは、さらに考えを改めた。
 私がやったら睨み返されるだけだ。
 下手したら取り囲まれるかも。

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| カニューシャ | 23:15 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻16
 久々に履いた、ぴったりとした黒い靴下や
茶色の革靴も今はトソを喜ばせない。
 発着場に設けられた硝子張りの喫茶店にい
る同世代らしい二人組から笑われている事に
気づき、お茶を買って喉を潤し、空き時間を
有効に過ごす案も思考の中で否決された。

テーマ:同人系 - ジャンル:小説・文学

| カニューシャ | 22:20 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻15
 息切れが治まらないままトソは汗で濡れ西
日にキラキラと輝く栗色の巻き毛や制服の乱
れを正す振りをして定刻通りに出発する列車
から目を背けた。
 先日骨折した右足首は今日病院で受けた最
高級の治療で、痛みも腫れもすっかり引いて
日常生活に耐える程度は機能してくれている。
 だが怪我をする以前を越える程の性能は発
揮してはくれなかった。

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| カニューシャ | 17:10 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻14
 遅れて閉じる車両の扉。
 理知的というよりは、おしゃまに近い童女
は車両の中で振り返り、最短経路を塞いでお
きながら発着場に取り残された足の遅い学生
に軽蔑の眼差しを向けた。

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| カニューシャ | 21:03 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻13
 出発直前を告げる和音に焦る。
 発着場への最後の一段を登り切る。
 しかし、革製の背負い鞄に付けたぬいぐる
みをボコボコと振り乱しながらトソを追い抜
いた女子学童を最後に電車と発着場を区切る
硝子の安全扉は素早くシューッと閉じた。

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| カニューシャ | 19:45 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻12
 聴取器は淡々と発車時刻を秒読みする。
 栗色巻き毛の少女は息を乱して案内標識の
下を走り抜け、目的の発着場を目指す。
「弊区は終日、女性専用区です。
 皆様のご理解とご協力をお願い致します」
 降車時に流れるいつもの人工音声を聞きな
がら、榻摩 鳥素(しじま トソ)は広告だ
らけの階段を必死に走る。

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| カニューシャ | 20:14 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻11
 投影板には正直に詫びる負け雛と『粗忽者』
で盥の領収書を貰う生身の部下。
 机上に寝そべる新人は未だ対象と同調し側
に置かれた受話器から鼻歌を披露していた。
 滞った現場は湾の上空を周遊していた。

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| カニューシャ | 17:41 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻10
「結局、使い雛は嫌な雰囲気を断ち切る事が
出来ず、喚問は榻摩幸容子の逆転勝利。
 対策部隊は痛い連敗です」
 黒星を報告書にまとめ、ヨツユは髪の毛を
弄りながら慢性的な戦力不足に目を閉じた。

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| カニューシャ | 09:57 | トラックバック:0コメント:0
カニューシャ第2巻9
カニューシャ第2巻8
「冷血を蜜味にする薬は姉妹で服用すると効
果的らしいな」
 映像検索の割り込みで生じた不自然な間は
演出として流用するしかない。
 暗闇に浮遊する面接人形は圧迫を狙って照
明で捉えた相手を見下す。
「(あっ)(ぱ)(く)(で)(す)(ね)」
 声は出さず発音指導の挿し絵の様に口だけ
を大きく動かしてコウヨウコは微笑んだ。

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| カニューシャ | 00:49 | トラックバック:0コメント:0
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プロフィール

壱意再帰

  • Author:壱意再帰
  • 同人小説の発表だけでなく作詞も行うので「文芸」サークル。
    感想ブログも兼ねています。
    メールアドレスはndmctsr空excite.co.jp
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