文芸サークル「名で充ちた空」ブログ

名で充ちた空

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携帯向け小説「猫」04
 泊まり込みの仕事からアパートに帰ったら、猫が冷水のシャワーを浴びていた。
 唐突な展開に唖然とする人間の都合など知らず猫は、態度で主導権を主張した。
「あら、意外と早く帰ってきたのね?」
 人間は返事もせず立ち尽くしている。
 猫は人間の目線の向きに気付いた。
「雌だよー?
 『姫』って呼んで敬うといーよ?」
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| 携帯向け小説「猫」 | 23:56 | トラックバック:0コメント:0
携帯向け小説「猫」03
 最近の自販機は猫の手に優しい。
 貰い物のプリペイドカードを押し付けると、ちゃりーん、と言う音の直後に冷たい飲み物が出てくる。
 夏は「あったかい」方を間違って選ぶ危険も少なくて嬉しい。
 ただし、缶の開封は優しくない。
 それでも苦労して白く甘い清涼飲料水を飲み干し、猫は唇に付いた一滴を嘗めずった。
 雲行きの怪しくなった空を木陰から見上げ、彼女は願う。
「飼い猫になりたい」

テーマ:同人系 - ジャンル:小説・文学

| 携帯向け小説「猫」 | 00:58 | トラックバック:0コメント:0
携帯向け小説「猫」02
 ガッ!
 彼女の鼻先でチェー
ンがドアの開放を阻害
した。
 嫌な予感。
 猫は頭も入らない僅
かな隙間から薄暗い家
の中を覗き込む。
 キラキラした魚が泳
ぐ水槽は靴箱の上で今
日も稼働している。
 キョロッと廊下の奥
を見て声を上げる。
 ねぇ!
 呼び掛けてみるも返
事は無い。
 ねぇ、おばちゃん!
 やっぱり返事は無い。
 耳をそばだてる。
 いつもならテレビ、
掃除機、洗濯機や換気
扇の音が聞こえる。
 なのに静かだった。
 水槽の横に置かれた
芳香剤が邪魔だったが
洗面所やトイレの臭い
は、この家が数日以上
無人である事を教える。
 予感、的中。
 夏の災難。
 涼しい食堂で、遅い
お昼ご飯をネダる目論
見だったのに。
 お人好しのおばちゃ
んは家族旅行に行って
しまったらしい。
 お得意様が旅行に出
掛けて、ひもじい事に。
 夜会でよく聞く失敗
を自分もやらかしてし
まったらしい。
 通い詰めて媚びなく
てもご馳走して貰えた
から油断していた。
 猫はシオシオとドア
を閉じ、合い鍵で施錠
し直した。
 鍵を半ズボンの右ポ
ケットに仕舞う。
 どーしよー!
 暑い!
 ベタ付く!
 喉渇いた!
 お腹空いた!
 恨めしげに振り向い
ても木に鈴なりに留ま
るセミの鳴き声は収ま
らなかった。
| 携帯向け小説「猫」 | 07:05 | トラックバック:0コメント:0
携帯向け小説「猫」01
 「猫」(仮称)。
 始めにお断り。
 おとぎ話です。
 ヲタク向けです。
 拙作に対する解剖学
的,生物学的,社会学
的,その他科学的考察
は無意味です。
 02は一週間以内に掲
載する予定です。
 好評なら長編化。
 不評なら削除。
 無反響なら放置。

「ねぇ、君」
 黒髪を伸ばした小柄
な人影へ掛かる声。
「一緒に猫探さない?」
 振り向いた少女は猫
だった。
 学期末で小中学生の
下校が早い住宅地。
 三角耳で警戒しなが
ら昼下がりの細い瞳孔
で少女は呆気にとられ
た若者を品定めする。
 うわっ、無職。
 実際にはフリーター
だった青年の前で猫は
素早く飛んだ。
 スニーカーを履いて
尻尾で重心を取る少女
はフェンスの上を駆け
て団地の隙間に消えた。
| 携帯向け小説「猫」 | 13:55 | トラックバック:0コメント:0
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壱意再帰

  • Author:壱意再帰
  • 同人小説の発表だけでなく作詞も行うので「文芸」サークル。
    感想ブログも兼ねています。
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