名で充ちた空


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カニューシャ第1巻42
2006/03/31 18:00

「私どもの共有剤は麻薬ではございません。
 臨床実験での接種は薬事法に則るものです」
 発表慣れしたコウヨウコの淀みない言葉に使い雛は無表情に腕を組む。
「構成成分は配信麻薬と同一であろう?」
 不快感を表情で強調して少女は反論する。
「不正な設定が混入した特許侵害商品と一緒にされては困ります」
 冷徹な面立ちを持つ使い雛が応答するより先に睫毛の長い少女は伏し目がちに続ける。
「搭載少女製作委員会が感染災を起こし多数の失踪者を出した事は真に遺憾でありますが」
 写真撮影を想定して照明を浴びながらコウヨウコは毅然と顔を上げた。
「共有剤の臨床実験を担保として引き継ぐ事は計画出資者として当然の権利です」
 討論では不利になる事もある可憐な声を腹式呼吸と唇の形作りで精一杯勇ましくして年若い会長は会見場全体に向けて宣言した。
「だが反対派への布恐活動を行って良いと言う事は無い」
 映像人形の表情が変貌した。

カテゴリ:カニューシャ

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